マリー・デジャルダン 薪ストーブは私のキッチン Marie Desjardins Ma cuisine. Mon poele a bois.

カナダ生まれのマリー・デジャルダンによるレシピ集 薪ストーブのあるサンルームで過ごす時間は何よりの宝物!

Pâté au saumon サーモンパイ

薪ストーブを愛する人たちへ。
私の心に小さい頃から染み込んでいる、ケベックのおばあちゃんの立つキッチンで覚えた、香りのするサーモンパイの作り方を教えます。

いつも思い出すエプロン姿のおばあちゃんは、
朝早くからキッチンストーブに火をつけ、次々薪を入れ、本番を待つ鍋を並べます。

キッチンのステージに立つおばあちゃんは、
あちこちにある道具や材料を自由自在に操って、緊張して不思議そうに見とれている私に、余裕たっぷり、リラックスしているところを見せてくれます。

特に色々なパイは、どれもこれも他の誰も真似できない味です。
そんなおばあちゃんのパイ作りのお手伝いをするのがとても幸せで、
早く大人になっておばあちゃんのようになりたいと思いました。

 

フードプロセッサーを使ってパイ生地を作る

わずらわしい折りたたみ作業はもう不要。
しかも焼き上がりも味もすばらしい。とても簡単。

材料

  • 無塩バター …200g
  • 薄力粉 …240g
  • 塩 …小さじ1/2
  • 冷水 …大さじ7
  • 打ち粉(強力粉)

作り方

1.バターは約2cm角に切り、お皿にのせ、冷凍庫に5分くらい冷やす。
2.フードプロセッサーに粉と塩を入れ、1~2秒かける。
3.次に、バターを加え、5~6秒かけてざっと混ぜる。

4.冷水を計って上にふり入れる。
5.7~8秒かけて生地がようやく1つにまとまったら、
混ぜすぎないように止める。

6.打ち粉をふった台に取り出し、約2.5cmの厚さに成形する。
ラップで生地を包み、冷蔵庫で1時間から一晩休ませる。

 

パイのフィリング

クリームシチューにパイをかぶせた、手軽にできて喜ばれる一品。


この季節の新玉ネギをたっぷり使って甘みのある具を作って、
子供たちもおなかいっぱい食べられる。

材料

  • カナダのサーモン(刺身用)…350~400g
  • オリーブオイル …大さじ1
  • バター …大さじ1
  • 塩・こしょう …適量
  • 玉ネギ …中3個
  • にんじん …中1本
  • セロリ …中1本
  • じゃがいも …中2~3個

  • (ホワイトソース用)
  • 玉ネギ …中1個
  • バター …100g
  • 薄力粉 …大さじ3~4
  • 牛乳 …約350cc
  • 塩・こしょう …適量
  • パセリ(刻み)…大さじ1

 

作り方

1.熱くなったローストサーバーにオリーブオイルとバターを溶かし、一口サイズのサーモンを並べ、中まで火を通す。

2.塩、こしょうをふって丁寧にひっくり返す。
ウォーミングシェルフに移動させる。

3.一口サイズに刻んだ野菜を蒸しておく。

4.ホウロウ鍋にホワイトソース用のバターをゆっくり溶かす。
焦げないように注意。
千切りにした1個分の玉ネギを加え、透明になるまでゆっくり炒める。

5.ウォーミングシェルフの方へずらしてから粉を一気に加え、よく合わせる。
牛乳を入れ、粉とよく混ぜてからストーブトップに戻す。

6.木ベラで手を止めずに、ホワイトソースがマヨネーズ状になるまで混ぜる。

7.ローストサーバーに入ったサーモンの上に蒸した野菜を全部入れ、
さらにその上にホワイトソースを流し込んで、刻んだパセリをのせる。

8.大きく伸ばしたパイ生地をかぶせておく。

9.残った生地で魚の形にした模様を飾り、表面に溶き卵1個分を塗る。
※魚の目は粒コショウ

10.約220℃のオーブンで15分、200℃に下げて15分焼く。
温度を下げる時には、上のドアを少しの間だけ開ける。

すべての材料にあらかじめ火を通してあるから、
パイ生地だけが美味しそうな色に焼ければ完成です。

使用ストーブ » バーモントキャスティングス  アンコール

 

パリパリ、サクサク、ホロホロ。何の音!?

こんなうれしいベーカリーは薪ストーブのある生活のみです。

サクサクのパイをフォークでくずしながらシチューといただく味は格別ですが、決して特別な日のものではなく、家庭料理のひとつです。

このようにして、どれを食べても美味しいおかずに囲まれて育った私。

今度は梅雨に入る前に孫たちの所にパイのデリバリーでも…。

孫娘にはきっとこう尋ねる。
「パリパリ、サクサク、ホロホロ。何の音!?」

「早く大人になってグランマのようになりたい。家の料理も仕事も覚えて…」
あなたの口からそのような言葉を聞きたくて。

 

Photoes & Illustration  by Marie Desjardins

*隔月連載。次回の更新は8月です。

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